なぜ今、金属屋根が増えているのか?
そもそもここ日本においては、古くから瓦屋根が多く採用されてきましたが、その後、新築需要も高まり、比較的安価な屋根材の普及が急速化して参りました。
そんな日本でしたが、昨今の情報化社会においては、お施主様自身も建材に関する情報を入手しやすく、少しでも良い性質、性能を求めるようになってきました。
また、アスベストの問題が屋根業界に変化をもたらしたと言っても過言ではありません。
お施主様自身だけではなく、住宅業界全体が屋根に関して注目するようになってきたと言えます。
特に近年の新築業界では屋根に採用される建材が変化しています。
日本固有の瓦屋根は、非常に高い耐久力を持っていることやメンテナンスの手間が少なくなるなどのメリットがある反面、地震大国でもある日本においては、耐震性が心配です。
もちろん、屋根の重量を事前に考慮した上での、建築基準をクリアしていますが、それでも昨今の大きな地震に対しては重量の重い屋根材が不利な状況には変わりありません。
いわゆる
屋根と耐震性
の関係です。
他の屋根材と比較すると、非常に重量があるため、建物自体ににかかる負担が大きく耐震性にも悪影響を与えると言われています。
そんな背景もありながら、新築住宅においては、だんだんスレート屋根が採用されることが増えていき、スレート屋根が新築業界で圧倒的なトップシェアを誇っていた時期もありました。
しかしここ数年の新築住宅を見てみると、ガルバリウム鋼板などの金属屋根材のシェア率が急激に高くなっており、2015年頃からスレート材と並んでトップシェアを誇るようになっているとも言われています。
金属屋根材
金属屋根材は、非常に軽量だということが大きなメリットで、元々屋根リフォーム業界では評価が高い屋根材だったのですが、
最近は、新築住宅でも屋根に金属屋根、さらに外壁材としても金属を採用する住宅が増えております。
金属屋根のメリットとは?
- 重さが軽い
色々ある屋根材の中でも、まずは『軽量である』ということです。
屋根が軽いということは、建物自体にかかる負担を大幅に軽減することになり、先程お伝えしたように耐震性はアップします。 - 複雑や屋根の形状からシンプルなものまで
金属屋根というには、他の屋根材に比べて加工がしやすいのがメリットになります。
新築住宅といっても、設計者によって屋根の形はさまざまです。
そんな色々な要望に応えることができるのがこの金属屋根です。
建物に合わせて、シンプルなものから複雑なデザインまで、さまざまな形の屋根にフレキシブルに対応が可能です。
また、金属本来のイメージをそのままシャープなデザインも若者には好評です。
- なんといっても耐久性
一般的な「鉄(金属)」というと、錆びやすいイメージがありますが、金属屋根として多く採用されているガルバリウム鋼板は、サビに非常に強く、高い耐久性がメリットです。
また、メンテナンスに関しても、他のスレート屋根材とは違い、数年ごとに塗装などのメンテナンスも必要なく、製品によっては30年間フリーメンテナンスとして販売されております。
耐久性が高く、メンテナンスの手間が省けるということは、長く住むにあたり維持管理コストを下げることになるのでお財布に優しい屋根材とも言えます。
金属屋根のデメリットとは?
- 雨音が響く
金属屋根は、薄く成形されていますので、雨音が室内にまで伝わる可能性があります。
表面に石粒の加工や中には断熱材が加工されている金属屋根もあり、少しは雨音が軽減されているとはいえ、他の屋根材に比べたら遮音性が低いのがデメリットになります。
ただし、通常の雨音などに関してはさほど気にならないので、そこまで気にする必要はないかと思われます。 - 断熱性が低い
いわゆる金属でできた屋根材、つまり鉄は熱伝導率が高いなど、断熱性が低いというデメリットがあります。
小屋裏の温度などが気になるようでしたら、断熱材を施した金属屋根材を使うなどの対策が必要です。
金属屋根のメリットとデメリットを解く知った上で、屋根材を選ぶといいでしょう。
そもそも既存住宅のリフォームにおいては、すでに金属屋根の人気が高くなっていることから、メーカーさんの努力もあり、屋根材としての断熱性や防音性がかなり改善されてきています。
今後は、新築住宅と既存住宅においても、まだまだ需要が高まる金属屋根にご注目ください。
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